クレフェルト『戦争文化論』

『補給戦』で有名なイスラエルの軍事史学者、
マーチン・ファン・クレフェルトの『戦争文化論』が出版されたようです。
ようやく入手でできましたが、経路の変わった戦争論としてかなり興味深い本ですね。
戦争の問題を歴史的な文脈だけでなく、文化事象全体にわたって、
軍人のメンタリティや、戦争のゲーム性、ファッションとしての感覚、楽しみとしての戦争、戦争のルール、
文学、芸術、戦争記念碑との関係の中で論じています。

文化史の中の戦争という視点は、イギリス、ドイツなどでも近年大いに注目を集めている領域ですが、
クレフェルトは網羅的にこの問題に触れています。とくに「戦争文化をもたぬ世界」がどうなったかという状況を、野蛮な集団、魂のない機械(プロイセン軍、ドイツ連邦軍)、気概をなくした男たち、フェミニズムというグルーピングで扱っています。

この点だけでも、暴力性の統制という問題を文化史的な問題で扱っている研究として興味深いものです。戦争文化のない軍隊社会がどのような状況になるかという視点は、今まで充分に議論されていたとはいえません。
この点でも、本書は数少ない視点を提供するものといえるでしょう。

戦争文化論 上戦争文化論 上
(2010/08/21)
マーチン・ファン・クレフェルト

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戦争文化論 下戦争文化論 下
(2010/08/31)
マーチン・ファン・クレフェルト

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