Was ist Bildung?



最近は「教養」とは何かという問題に強い関心があります。教養ゼミや、欧米文化研究といった講義でも、「教養」については中心的なテーマとしています。

エリート教育の主柱としての「教養主義」は、もはや過去のもととなりましたが、社会を作ることに積極的にかかわってくる普通の人たちを輩出する役割の強い大学では、さまざまな形で「教養」が求められています。現代においては、消費文化の影響力が強く、あまりにも選択肢が多すぎるなかで、自己を見失いがちです。とくにインターネット社会はこの傾向をさらに拡大したといえるでしょう。一見この選択肢の多様性は喜ばしいことに見えますが、この中で自分自身を見失って、本来自分が望んでいる方向ではない道へと迷い込んでいくことがいかに多いことか。古典的な議論のなかで議論されてきた「教養」は、この迷路から一歩距離を置いて、社会のなかで生きていく指針を見つけ出すために、いまだ多くの貢献をなしうるといえるのではないでしょうか。

ただし、今の日本では、「教養」という言葉がいささか濫用されているといえるでしょう。本来の「教養」とは関係ない分野まで、「教養」に入れられている傾向はあります。その意味では、かつて日本にあった「教養主義」的な理念の再検討は、大学が大学であるうえでいまだ重要な役割を持っているのではないでしょうか。レクラム文庫の「教養とは何か」はこれをまた改めて考えるきっかけを与えてくれそうです。
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