三宅正樹・庄司潤一郎・石津朋之・山本文史編著『総力戦の時代(太平洋戦争とその戦略)』と『戦争と外交・同盟戦略』中央公論新社



石津先生から、三宅正樹・庄司潤一郎・石津朋之・山本文史編著『総力戦の時代(太平洋戦争とその戦略)』と『戦争と外交・同盟戦略』(中央公論新社)が出版されたことを伺ったので、三巻本のうち出版されている二冊を早速購入しました。

論文の中身は「戦争史研究国際フォーラム」の中で報告されたものからなる研究のようですが、
太平洋戦争をめぐる様々な問題が議論されており、執筆者も非常に国際的です。
全体のページ数はなかなかのものですが、一本一本独立した論文なので、比較的読みやすいと思います。

入手して、二冊ともさっそく読んでみましたが、とくに『総力戦の時代』が、私の興味関心には合いました。ジャン・ヴィレム・ホーニッヒ「総力戦とは何か――クラウゼヴィッツからルーデンドルフへ」と、纐纈厚「総力戦と日本の対応――日本型総力戦体制構築の実際と限界」、高橋文雄「総力戦における「経済戦争」への日本の対応――「意識された総力戦」下での位置づけの探求」がとくに興味深く読めましたが、とくに纐纈論文の「総力戦体制とは国家優位の社会を戦争の勝利や経済の発展を名目に、諸個人の差異を無効化して、諸個人が国家を構成するモノ化する体制である、とも解釈することができよう。」(113頁)との指摘は秀逸でしたね。高橋論文は戦時中の経済戦争観についての検討をしていて、これもその戦時中の言説に関心を持ち始めたところでしたので、いい刺激になりました。

このシリーズはもう一冊続刊が続くようですが、そちらも期待したいと思います。クレフェルト「戦争とは何か――戦争文化」やルトワック「大戦略を考える――ビザンツ帝国を中心に」の論文も入っているので、興味のある方はいいかもしれません。両者の論文はかなり両者の有名な主張を紹介したものとなっています。
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