教養のひろば第12回

先日、電機大学学内の「教養のひろば」に参加してきました。持ち回りで、専門に関する報告が行われる会となっています。その後、高坂駅前の喫茶店「マリダリ」で懇親会でした。
卵子提供については初見の話題が中心でしたが、ES細胞の問題や、代理母をめぐる議論など、卵子提供ビジネスには相当の問題がある状況を示した映画でした。

第12回「教養のひろば」
日時:2015年4月30日(木) 17:00 ~ (1時間半程度)
場所:本館204号教室(第二メディアルーム)
演題:映画『卵子提供――美談の裏側』と卵子提供マーケットの現状
講師:柳原良江先生(理工学部共通教育群)

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演題:映画『卵子提供――美談の裏側』と卵子提供マーケットの現状

報告内容:柳原が翻訳した米国のドキュメンタリー映画の日本語版『卵子提供――美談の裏側』を上映した上で、 日本とアメリカの卵

子提供マーケットについての状況報告をします。

■映画『卵子提供――美談の裏側』(原題「Eggsploitation」2013年 米国The
Center for Bioethics and Culture制作 45分)
今やアメリカの不妊治療は数千億円規模の巨大産業に成長している。そこでもっとも盛んに取引されているものは何か?――人間の卵子だ。大学構内の掲示板やソーシャル・メディア、オンラインの求人広告では、 若い女性たちが数十万円から数百万円、時には1000万円にも達する額を提示されている。そして誰かの夢を叶えるために「人助けをしましょう」と甘い言葉で誘われるのだ。それらの求人広告はもちろん、映画やテレビドラマまでもが卵子提供に好意的だ。卵子提供は、女性たちの助け合い、自己犠牲、科学技術の華麗なる成果として描かれる。 しかしそこに卵子提供の実態は表れていない。彼女たちが提供を決めた経緯はもちろん、どのように薬を服用し、手術を受けているのか、そして提供後、彼女たちがどうなっているのかは美辞麗句の裏に隠されたままだ。

本映画の原題は『eggsploitation』。「eggs」(卵子)と「exploitation」(収奪)をつなげた造語である。作品内では当事者へのインタビューを通じて、実際の「卵子提供者」の扱われ方、 提供者が経験する短期的リスクや長期的リスクといった、今まで知られていない実態が明らかにされる。そこからは、若い女性たちを資源とみなし収穫し続ける姿、すなわち卵子提供の常套句である 「人助け」とは対極の収奪システムが浮かび上がってくる。

■卵子提供マーケットの現状
あまり知られていない事だが、日本人による卵子売買の歴史は長い。そして現在すでに日本人が米国や東南アジアに渡航し自らの卵子を売ったり、他者の卵子を買うビジネスが成立している。映画上映に続く柳原報告では、映画内容の補足として米国で実際に日本人が交わしている契約内容や米国の卵子売買ビジネスの現状について説明する。
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