クラウゼヴィッツに関する新しい本

本ブログのタイトルは「歴史、戦争、クラウゼヴィッツ」なのに、最近はその話をブログであまりしなくなり、看板に偽り状態が続いていますので、たまにはクラウゼヴィッツの話をしたいと思います。

今年2017年はクラウゼヴィッツに関する書籍として面白いものがいくつか出ています。くわえて、これからも関連書籍が出るようです。まずあげられるのが、ベアトリス・ホイザー、奥山・中谷訳『クラウゼヴィッツの「正しい読み方」』芙蓉書房、2017年でしょう。クラウゼヴィッツ解釈に主眼をおいた文献としては、かなり定評のある文献です。私としてはドイツ語圏のクラウゼヴィッツ研究を英語圏にかなり紹介しているようにも読め、英語圏のクラウゼヴィッツに大きく寄与したものとしても興味深いです。本書の邦訳は非常に喜ばしいです。

私も関わっている翻訳本、トーマス・キューネ、ベンヤミン・ツィーマン編著、中島浩貴・今井宏昌・柳原伸洋・伊藤智央・小堤盾・大井知範・新谷卓・齋藤正樹・斉藤恵太・鈴木健雄訳『軍事史とは何か』原書房、2017年も、実はクラウゼヴィッツと切っても切れない関係性にあります。歴史学、軍事史的解釈理解のなかでクラウゼヴィッツの占める重要性は相変わらずで、本書には各所でクラウゼヴィッツに関する言及があります。政治学、歴史学、社会科学の問題関心とクラウゼヴィッツの位置づけを確認できる文献です。

くわえて、本年はクラウゼヴィッツに比する戦略家とも評されるジョミニの戦略論に関する翻訳が出版されるようです。いままで日本で流通していた翻訳書であるジョミニ、佐藤徳太郎訳『戦略概論』中央公論新社は英語からの重訳で、しかもかなり原本をダイジェストにしたものにすぎないようです。フランス語からの新しい翻訳でジョミニがどのように戦略について考え、論じていたのかという問題を検討するには、この翻訳は大きな意味があるものとなるでしょう。本年の10月21日土曜に予定されているクラウゼヴィッツ学会・シンポジウムではそのあたりの話が聞くことができそうです。
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