東上線小説――文化をつくるには

東京近郊で小説/物語の舞台になる地域は、ほぼ決まっているように思います。その舞台は山手線圏内か、横浜、中央線界隈ではないでしょうか。それは人間の数の面からも、歴史的な文化的中心地の面からもやむを得ないのでしょうが、東武東上線沿線に住んでいる身としては残念としか言いようがありません。東武東上線沿線は、確かにほかの沿線と比べてもパッとしないイメージです。観光地としては、東京近郊に川越、離れて越生、寄居(玉淀、長瀞)があり、大学も、立教大学、東洋大学、尚美学園大学、西武文理大学、女子栄養大学、東京国際大学、大東文化大学、東京電機大学、城西大学、立正大学などとかなりの数に及びます。ほかにも、こども動物公園、森林公園があり、決して何もない路線ではないはずなのですが…。しかし、モノはあっても、魂がないというか、文化という意味では決定的に何かが欠けている気がするのです。たとえば、川越以外の東上線の街を舞台にした小説や物語はほとんど知られていないし、地元の出版社が出版している書籍のなかにもそのような著作は見当たらないように思います(よい物があればぜひ教えてください)。この地域の独自性を物語ることこそがある意味で求められているようにも思うし、路線のまちの魅力を高めるためには案外そうした地元密着型の小説/物語こそ必要なのではないかとも思うのです。それは恋愛小説でもいいだろうし、学生や地元に暮らす人々の暮らしや日常を描いたものであってもよい。そうした文芸(ないしそういう物語)がもう少しあってもいいと思うのですが。
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